不動産投資コラム

アパート投資するなら木造、鉄骨造、RC造?収益物件の構造比較

アパート経営
2025.11.27

アパート投資を考えたときに、収益物件の利回りや間取り、立地、出口戦略など、検討する条件はさまざまあります。そんな中で、「物件の構造」に注目したことはありますか?
物件の構造は、木造・軽量鉄骨造・RC造(鉄筋コンクリート造)といった違いがあります。構造が異なれば、建築コスト、耐用年数が変わるため、物件取得後の運用も変わってきます。
この記事では、アパート投資における物件の構造ごとに、特徴やメリット・デメリットを解説。そのうえで、投資目的に合った物件構造をご紹介します。
まずは、それぞれの物件構造ごとの特徴、メリット・デメリットを紹介します。

アパート投資における構造別の特徴

木造

木造住宅は、その名の通り木材を主要構造材とする建物です。市場には2〜3階建て程度の木造アパートが多くあります。他の構造よりも建築コストが比較的低く、工期も短めです。法定耐用年数は22年。

【メリット】

  • 建築費が抑えられるため、初期投資額が小さく済む。
  • 初期投資額が少ないため、利回りが高い傾向にある。
  • 減価償却期間が短いため、節税対策の恩恵を受けやすい。

【デメリット】

  • 耐久性・耐火性・遮音性で、鉄骨造・RC造に比べ劣る面がある。シロアリ・木材劣化などのリスクも。(対策が取られている木造物件もあるため、各物件の状態を要確認)
  • 特に中古の場合は、銀行融資の期間・評価が厳しくなる場合があり、融資条件が不利になりやすい。
  • 建物価値の減少が早い分、売却時の評価が下がりやすい。
  • 劣化が早い分、築年数が経つと魅力が下がり、空室リスクが増えやすい。対策として修繕・リフォームが必要で、定期的な修繕により維持コストが増える傾向あり。

鉄骨造(S造)

金属を主要構造材とする鉄骨造は、部材の厚さによって法定耐用年数が変わり、3 ㎜以下なら19年/3〜4 ㎜以下なら27年/4 ㎜超なら34年という区分もあります。 建築コストは、木造より高いですが、RC造よりは低めに抑えられます。
鉄骨造の中でも、「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」に分けられることがありますが、その違いは部材の厚みです。厚さが6㎜未満のものが軽量鉄骨、6㎜以上のものが重量鉄骨と定義されています。法定耐用年数の基準とは異なります。

【メリット】

  • 木造に比べて耐久性・耐震性・耐火性で優位とされ、安全性を重視する入居者から選ばれやすい。
  • 建築コストおよび維持コストのバランスが取れているため、長期的に安定した運用が狙える。

【デメリット】

  • 木造よりコストがかかるため、利回りが多少低下する可能性がある。
  • 遮音性がRC造に劣る場合があり、物件の状態を確認する必要がある。

鉄筋コンクリート造(RC造)

鉄筋をコンクリートで覆い、圧縮・引張などの荷重に強く設計された構造の物件。法定耐用年数は47年と長く、長期の運用に向いています。遮音性・耐火性・耐震性とも高く、都市部などの人口が集中する地域で採用されることが多いです。建築コスト・維持コストが他の構造と比べて高めですが、その分「建物+土地」における資産価値が築年数経過後も比較的高く残る傾向にあります。

【メリット】

  • 遮音性や防火性が高く、騒音や安全性を気にする入居者から選ばれやすいため、空室リスクが低め。
  • 価値の減少スピードが緩やかで、売却時・相続時にも価値が残りやすく、出口戦略が立てやすい。

【デメリット】

  • 建築費・取得価格が高くなりやすいため、利回りの面では木造・鉄骨造に劣る傾向にある。
  • 取得時だけでなく、修繕・大規模改修でのコストも高くなる可能性あり。
  • 入居者に選ばれやすい構造だが、それ以外の立地や入居需要を見誤ると、初期投資額の高さからキャッシュフローが苦しくなるリスクもある。

出典:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」

関連記事:減価償却とは?基本的な仕組みや計算方法、税制改正の影響について解説

構造別の特徴比較

ここまで各構造の特徴を示しました。投資を考える上で重要なのは、「投資の目的」と、「それに合う物件条件か」です。ここで一度、構造別に整理してみましょう。

構造

木造

鉄骨造

RC造

建築コスト

低め

中程度

高め

利回り傾向

高め

中〜やや高め

やや低め

法定耐用年数※

22年

19〜34年

47年

主なメリット

・初期投資が少ない
・節税効果を感じやすい

・バランス型

・遮音性や防火性に優れ、ニーズが高い
・資産価値を維持しやすい

主なデメリット

・建物価値が低下しやすい

・遮音性や断熱性ではRC造に劣る

・初期投資・修繕コストが高くなりやすい
・利回りが低い傾向にあり、短期的な収益は低め

※法定耐用年数=減価償却上の目安年数。実物件の建物寿命とは異なる場合あり。

このように、構造によって物件には大きな違いがあります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、どんな運用を目指すかによって、物件構造を選ぶ必要があります。

【投資目的別】物件構造の選び方

投資を始める際に、まず考えるべきは「投資の目的」です。「今すぐキャッシュフローが欲しい」「10〜20年後に売りたい」「相続まで見据えて長期保有したい」など、それぞれの目的に合った投資物件選びが必要です。
物件を選ぶ際には、購入資金・立地・間取り・設備など、収益物件の条件を総合的に判断する必要があります。ここでは、物件条件の中でも「構造」に絞り、目的別のおすすめ物件構造を整理します。一つの判断軸として参考にしてみてください。

短期で高利回りを狙うなら木造

木造アパートは、初期投資が比較的低く抑えられる点が最大の魅力です。建築コストが安く購入費用を抑えられる分、利回りを高く設定しやすく、短期間での資金回収を狙う投資家に向いています。また、法定耐用年数が22年と短いため、減価償却を早く進めることができ、所得税や住民税の節税効果も大きい点が特徴です。
ただし、建物の劣化が他の構造よりも早く、物件価値の減少スピードも早いです。必要なタイミングで修繕やリフォームといった対策を講じなければ、空室リスクも高まりやすいです。魅力が落ちた状態では売却益も確保しにくいため、立地を含む物件の魅力の維持が求められます。
利回りを重視しつつ、短期的な運用益を確保して次の物件への投資を考えている投資家に適しています。

木造と鉄筋コンクリート造(RC造)の間のバランス型、鉄骨造(S造)

軽量鉄骨造のアパートは、木造とRC造の中間に位置するバランス型の構造です。建築コストは木造より高めですが、耐震性・耐久性に優れており、部材の厚みがあれば木造物件よりも耐用年数が長いため、木造よりも長めの運用に適しています。
一方で、遮音性や断熱性はRC造に劣るため、入居者が何を重視するかを考えなければ、空室リスクにつながりかねません。対策を講じたり、他の部分(立地や間取り、設備など)の条件を見直したりと、魅力を高めていく必要があります。

長期保有・相続対策なら鉄筋コンクリート造(RC造)

鉄筋コンクリート造(RC造)は、紹介してきた3つの構造の中で、最も耐久性・耐火性・遮音性に優れた構造です。法定耐用年数が47年と長く、長期にわたって安定した収益を生み出せるため、長期保有を前提とした投資や、将来的な相続・資産継承を考える投資家に適しています。
RC造は、遮音性や耐久性の面で入居者からのニーズが高いため、空室リスクを抑えやすいです。また、築年数が経過しても資産価値が落ちにくく、将来的な売却時にも一定の価格がつきやすい点が特徴です。長期で資産を保全しつつ、安定したインカムゲインを得たい投資家に向いた構造といえるでしょう。
ただし、建築コストが高く取得費用も高いため、一棟保有するには、十分な資金力と運用時の安定した資金計画が求められます。短期間で利益を生む運用は難しいため、長期的に保有することを前提とした運用計画をおすすめします。初めて不動産投資に挑戦する方よりも、これまでに複数の不動産投資経験のある投資家の方向けといえるでしょう。

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イーカムの投資物件

まとめ|神奈川でアパート投資をするなら、目的に合わせた構造選びを!

「不動産投資で収益をあげたい!」と考えると、「利回り」や「空室リスク」が必ず絡んできます。それらの条件にも関わってくるのが、物件の構造です。木造・鉄骨造・RC造、それぞれに特徴があり、投資目的によって適する構造を選択することができます。

もちろん、物件の条件は構造だけではありません。立地や間取り、設備、入居者層などを総合的に判断し、自分の投資方針に合った物件を選ぶことが成功のポイントです。構造ごとの特性を理解したうえで、地域の需要や賃貸ニーズを見極めることが、不動産投資の安定運用につながります。

他にも、不動産投資における条件比較の方法について記事にまとめています。こちらもぜひご覧ください。

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イーカム分譲住宅編集部

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「フルセイル」シリーズを手がける当社の専門スタッフが、不動産投資をこれから始めたい方にも、すでに経験を積んだ方にも役立つ知識や最新情報を、やさしく分かりやすくお届けします。

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