ROI(投資利益率)から考える投資戸建てのリフォーム戦略

不動産投資と聞くと、区分マンションや一棟アパートをイメージする方も多いのではないでしょうか?しかし、収益物件にも多くの種類があります。中でも、部屋ごとではなく戸建てを貸し出す「戸建て賃貸」について、このコラムでは解説していきます。
戸建て賃貸は特にファミリー層からの需要が高いのに対し、供給量はそこまで多くありません。競合が少ないため、必要とされている条件で供給ができれば投資家にとって有利です。
しかし、単に安価な中古戸建てを購入し賃貸に出すだけでは、長期的な安定収益は望めません。求められる物件にするためには、「ROI(投資利益率)」に基づいた改修投資判断と、エリア特性を捉えた募集戦略が必要です。
この記事では、限られた資本で収益を最大化するための「神奈川エリアにおける投資戸建て戦略」について、市場分析とおすすめのリフォーム設備を解説します。投資戸建てに興味のある方は、ぜひご覧ください。
投資戸建てのニーズとは?
戸建て賃貸を運営するためには、まず入居者目線で「戸建て賃貸にどんな魅力があるのか」、ニーズを紐解いていきましょう。
騒音トラブルから解放される
防音性能そのものより、隣戸と接していないという「独立性」自体が入居者にとって大きなメリットとなります。集合住宅では、周りの部屋からの足音や生活音が気になる・自分の立てる音がトラブルにならないか気がかり、といった騒音に関するトラブルが起こりがちです。戸建てであればそのリスクが減るため、音のトラブルを避けたい方からのニーズが高いです。
ファミリー層向けの広い間取り
賃貸戸建ては、ファミリー世帯に人気です。その理由として、アパートやマンションでは限られてしまう間取りも、戸建てであればファミリーで住みやすい広い間取りがあるからです。また、住む人数が増えると荷物も増えていきます。戸建てであれば、広い分ものをたくさん置けますし、先程の「騒音トラブル」のリスクを減らすこともできます。
駐車場コストの負担減
車を持つ層にとって、駐車場付きの戸建て住宅は魅力的に映ります。集合住宅では別途駐車場分の料金がかかるケースや、大きなマンションでは駐車場が混雑してなかなか出入庫できないなど、不便な面もあります。その点、戸建て賃貸であれば、家賃の中に駐車場代が含まれており、自分専用の駐車場なので煩わしさもありません。駐車場の利便性を重視している層には、戸建て賃貸はメリットです。
ライフスタイルに合わせやすい
庭付き、DIY可能、大型ペット飼育可、楽器演奏可など、集合住宅では制限される内容が、戸建て住宅であれば緩和されやすいです。アパートやマンションでは、周りの部屋への配慮で不可とされることも、戸建て住宅では可能な場合があるので、「ライフスタイルと戸建て住宅がマッチする層」には、魅力的に映るでしょう。
投資戸建てについて、投資家目線でのメリット・デメリットを含めた概要が気になる方は、「投資戸建てを始めるには?初心者向け基礎ガイド」の記事も併せてご覧ください。
ROIによるリフォーム費用の最適化
「中古の戸建て物件を購入し、リフォームして貸し出す」ことや、「空室が出た際に、古くなった設備をリフォームしてから売り出す」ことも、投資戸建てで取られる戦略です。
アパートやマンションの場合、大掛かりなリフォームを行うには、退去ごとに都度工事をしたり、立ち退き交渉が必要になったりする場合もあります。その一方で、投資戸建ては入居者が一世帯のため、退去し空室になったタイミングでリフォーム工事を行いやすいです。リフォームによる「物件の魅力アップ」を図りやすい点は投資戸建てのメリットです。
しかし、過剰なリフォーム投資によって収益性が低下することもリスクの一つ。ここで重視すべき指標が、「ROI(投資利益率)」です。
リフォームにおけるROIの定義
一般的な不動産投資のROIは「年間キャッシュフロー ÷購入総額×100」で算出されます。
リフォームでのROIの考え方は、リフォームによって見込まれる家賃の増額と、リフォームにかかる費用を元に計算を行います。
例えば、
A:50万円のリフォーム投資で、毎月の賃料が5,000円上がった場合
B:10万円のリフォーム投資で、毎月の賃料が3,000円上がった場合
の2つを比較すると、費用回収が早いBの方が、投資効率の観点では良いと言えるでしょう。このように、「いくら投資して、どのくらいで利益を得られるか」でリフォーム内容を比較・選択することができます。
表面利回りではなく「実質回収期間」を見る
注目すべきは「表面利回り」の高さではありません。重要なのは、「その設備投資が賃料にいくら反映され、何年で回収できるか」という点です。
一概に「短期間・低コストでのリフォームが良い」というわけでなく、「その設備がいつ導入されたか、どの程度劣化しているか、いくらで貸し出すか」など、総合的に考えてリフォーム内容を決定すべきです。
- 何に対して、いくらのリフォーム投資をするか
- リフォームの結果、物件の魅力が回復しそうか(空室リスクを下げられるか)
- リフォームの結果、いくら賃料が上げられるか
- リフォーム費用の何年で回収できるか
を想定し、投資対効果の高い方法を取りましょう。
ROIで決める投資戸建てのリフォーム戦略
賃貸物件は、アパートやマンションが多いため、戸建て賃貸という時点で賃貸の中では差別化がしやすいです。とはいえ、近くに同じ価格帯の似た条件の競合物件があれば、入居者から比較されます。選ばれる物件にするため、築年数が古くなったらリフォームを検討しましょう。
その際、予算の中で、より高い効果を得られる設備を選ぶべきです。投資対効果から考えられる「投資戸建てのおすすめリフォーム内容」は下記のとおりです。
水回り
戸建て・集合住宅に限らず、賃貸の入居決定に大きな影響を与えるのが「水回りの清潔感」です。経年劣化により清潔感が失われている場合は、コストをかけてでも改修すべき部分と言えます。
浴室は、浴槽の入れ替えや、予算に応じて床や壁の塗装で清潔な環境にリフォームする。トイレは温水洗浄便座に入れ替える。キッチンは、コンロの口数を増やす、シングルレバー水栓に変更するなどが有効です。
駐車場・外構
駅から遠くて車が必須な立地であれば、駐車場の拡充も効果的です。戸建て賃貸はファミリー層からのニーズが高いため、軽自動車の駐車スペースしか無い場合は、敷地条件が許す限り、ブロック塀の撤去や整地を行い、ファミリーカーが駐車できるスペースを確保しましょう。
住宅性能・インフラ
古いものを変えるリフォームだけでなく、より生活を便利にする「付加価値」を与えることも有効です。
防犯面でおすすめなのが、TVモニター付きインターホン。比較的低コストで防犯ニーズに応える設備です。毎日の入浴を快適にする追い焚き機能も、ファミリー層から人気です。断熱・結露防止・防音効果がある内窓(二重サッシ)は、日常生活のストレスを減らし満足度を高めます。自治体によっては、窓リフォームに補助金が活用できるケースもあるため、投資家にとってもメリットです。
神奈川エリアでターゲットに合わせたおすすめ設備投資
前項で紹介した基本リフォームに加え、エリア特性・ターゲットに合わせた設備投資が有効です。ここでは、神奈川県内のエリア別のおすすめ設備を紹介します。
全エリア共通:おすすめリフォーム
収納スペース拡充:物が増えがちのファミリー世帯におすすめ。クローゼットを追加したり、デッドスペースに収納を設けたりなどが有効です。
内装リフォーム:劣化した壁紙を張り替えたり、畳をフローリングに変更したり、ターゲットに合わない設備はリフォームで変えましょう。
横浜・川崎エリア:共働き世帯向け
宅配ボックス: 共働きで家を空ける時間が長い、ネットショッピングの利用率が高い層にニーズがある設備です。
食洗機(分岐水栓):家事の時短につながるので、ファミリー層に人気の設備です。
湘南エリア:ライフスタイル重視層向け
屋外シャワー・立水栓:海が近いエリアのため、マリンスポーツを目的に戸建てを借りたい層の需要にマッチします。
土間収納:アウトドアを好むターゲット向けに、アウトドア用品の収納スペースを設けることもおすすめです。
エリアごとのおすすめ設備をご紹介しました。しかし、「ここで挙げた設備をすべて入れれば良い」というわけではありません。適正賃料で長く住んでもらうためには、物件の立地や面積、周辺環境から、「どんな人が住みそうか」「どんな人に住んでほしいか」のターゲット設定を行い、その上で必要な設備を選んで投資をすることが重要です。せっかくのリフォーム投資が空振りにならないよう、戦略を立てましょう。
まとめ|投資戸建てならではの戦略で、ROIを意識した投資判断を
神奈川エリアの投資戸建ては、ファミリー層を中心にニーズがあります。そのニーズに対して、「選ばれる賃貸物件」にするためには、ただ戸建てを購入して賃貸に出せば良い・お金をかけて人気の設備を入れれば良いというわけではありません。ROIを意識したリフォームを施し魅力的な物件にすることで、空室率を下げたり、賃料を上げたりも目指すことができます。リフォームの際には、「感覚」ではなく「ROIに基づいた戦略」が不可欠です。
具体的には、市場ニーズに基づいた物件選定を行い、投資費用の回収期間を意識したリフォーム投資を実行すること、そしてエリア特性に合致した設備導入を行うことが求められます。これらを徹底することで、築古物件であっても高収益資産へと再生させることができるでしょう。
他にも、不動産投資の基本について記事にまとめています。こちらもぜひご覧ください。
▶収益物件とは?種類と特徴、資金計画に関わる基礎知識から、物件選びのポイントを解説
▶1月〜3月は賃貸繁忙期!投資物件の空室を埋める、効果的な募集設計
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