不動産投資コラム

収益物件とは?種類と特徴、資金計画に関わる基礎知識から、物件選びのポイントを解説

不動産投資の基礎
2025.08.29

物件を貸し出し、収入を得る収益物件投資。首都圏の中でも東京・神奈川は、人口流入・交通利便性・経済活動の活発さから、安定した賃貸需要が期待できる地域です。収益物件投資は資産形成の方法として人気があり、「需要の見込まれる東京・神奈川で収益物件投資をしてみたい」という方もいるのではないでしょうか?

この記事では、収益物件の基本知識から種類別の特徴、キャッシュフローの考え方を軸に、収益物件の選び方を解説します。

収益物件とは?初心者が押さえるべき基本知識

「収益物件ってそもそも何?」という方に向けて、基本的な定義・メリット・デメリットを解説します。

収益物件の定義と特徴

収益物件とは、アパートやマンションをはじめとした物件を希望者に貸し出し、賃料やテナント料などの「収益」を得ることを目的とした不動産を指します。主にアパート、マンション、オフィスビル、商業施設などが該当します。収益物件購入後は、家賃収入によるキャッシュフローと、将来的な売却益(キャピタルゲイン)の両方を狙うことができます。

収益物件投資のメリット・デメリット

【メリット】

  • 安定収入:家賃収入という形で定期的にキャッシュが入ります。東京・神奈川エリアは人口が多く、需要が安定しているため、入居率を確保できれば長期的に安定した収益が期待できます。
  • 節税効果:減価償却費やローン利息、管理費などを経費計上できるため、節税効果が見込めます。
  • インフレ対策:不動産はインフレに強い資産といわれています。家賃水準も物価とともに上昇しやすいため、資産価値を守りながら収益を得られる可能性があります。

【デメリット】

  • 空室リスク:どんなに魅力的な物件でも、入居者がいなければ収益はゼロです。立地や周辺環境の変化、競合物件の増加などによって、空室リスクは常に存在します。
  • 修繕費用という出費:建物は時間の経過とともに劣化し、外壁塗装や屋根修繕、設備交換などのコストが発生します。物件や設備の老朽化は、空室リスクにも影響するため、修繕費用は必要経費です。

収益物件の種類と特徴

収益物件にはさまざまな種類があり、それぞれ投資効果やリスクが異なります。ここでは、住居系・オフィス系・店舗系・倉庫系・特殊用途の5つのカテゴリーを取り上げ、それぞれの特徴を紹介します。

住居系(マンション・アパート・一戸建て)

マンションやアパートの全体または一室、一戸建てなどの住居を所有し、入居者に賃貸して収益を得る投資方法です。収益物件投資でイメージされやすい種類です。区分マンションは少額から始めやすく、一棟アパートは空室リスクを分散し安定収入を狙いやすいのが特徴です。

オフィス系

個人の住居として貸し出すのではなく、企業向けのオフィスとして貸し出す物件。住居系と異なり、物件の内装工事や現状回復は入居企業側が負担するケースが多く、維持管理費を抑えやすいです。一般的な住居よりも賃料が高い傾向にある一方で、購入費用が高額になりやすい点に注意が必要です。

店舗系

飲食店・サービス業など向けの店舗用物件。オフィス系と同様、物件の内装や設備はテナント側が負担するケースが多く、維持管理費を削減できます。賃料単価が高めですが、景気や業種のトレンドに左右されやすいリスクがあります。立地やテナント属性によって収益性・空室リスクに差が出やすい傾向があります。

倉庫系

倉庫として商品や荷物の保管場所として活用される物件。利回りが高めで、安定した長期契約を結べるケースが多い点がメリットです。一方で、固定資産税が高くつきやすい点がデメリットとして挙げられます。

特殊用途物件(ホテル・民泊等)

観光客や出張利用者を対象に貸し出し、宿泊費用を収入とする物件です。観光需要や立地によってターゲット層を呼び込みやすい一方、景気変動や需要変化の影響を受けやすく、安定運営には市場調査や対策が求められます。

キャッシュフローとは?

収益物件投資を考えるうえで、よく使われる「キャッシュフロー」という用語。どういった意味で使われ、実際にどのように計算するのかを解説します。

キャッシュフローと利回りの違い

収益物件投資を考えるうえで混同されやすいのが「キャッシュフロー」と「利回り」です。どちらも収益性を判断する重要な指標ですが、意味合いと使い方が異なります。

利回りは「物件がどれくらい効率よく利益を生むか」を示す指標です。一般的には「利回り(%)=年間収益 ÷ 物件価格」で計算され、数字が大きいほど投資効率が良いとされます。ただし、この利回りは「表面利回り」と呼ばれることが多く、管理費や修繕費、税金などの支出は含まれていません。

一方、キャッシュフローは「実際に手元に残るお金」のことを指します。毎月の収入からローン返済、管理費、修繕費用などの支出を差し引いた後に手元に残るお金のことを指します。

つまり、利回りは投資効率の目安、キャッシュフローは実際の収益と考えると分かりやすいでしょう。利回りが高くても、ローン返済が重ければキャッシュフローはマイナスになることがあります。収益物件投資で長期的に成功するには、「利回りに惑わされず、キャッシュフローを重視する」姿勢が大切です。

キャッシュフロー計算の基本

たとえば、投資物件の収入と支出が下記の場合、キャッシュフローを計算してみましょう。

  •  家賃収入:20万円/月
  •  ローン返済:12万円/月
  •  管理費・修繕積立金・固定資産税など:3万円/月

手元に残るお金は 20万円 − 12万円 − 3万円 = 5万円 となります。
この「5万円」がキャッシュフローです。収入が減ったり、支出が増えたりして「収入<支出」の状態になると、キャッシュフローがマイナスになってしまいます。

キャッシュフローを重視する理由

表面利回りが高くても、ローン返済額が大きかったり、修繕費がかさんだりすれば、手元に残るお金は減ります。つまり、「利回りが良いから安心」ではなく、「キャッシュフローが黒字かどうか」で、投資を継続できるかが決まります。

利回りが良くても、キャッシュフローが赤字だと、他の収入源や貯金などから補填する必要があり、長期運用は困難になります。事前に現実的な収入と支出を出し、確度の高いシミュレーションを行うことが大切です。

収益物件投資で融資を受けるうえでの指標

収益物件を購入する際、多くの人はローンを組んで融資を受けることになります。ここでは、投資判断に使われる2つの指標についてご紹介します。

LTV(Loan to Value)

収益物件投資においてLTVとは、「物件価格に対する借入金額の割合」 を示す指標です。下記の計算式で求められます。

【LTV(%)=借入金額÷物件価格×100(%)】

例えば、1億円の物件を購入する際に8,000万円を借入する場合、LTVは80%となります。一般的にLTVが高いほど「自己資金が少ない=借入依存度が高い」と判断され、金融機関にとってはリスクが大きくなります。

一般的に、LTVは80%以下が目安(金融機関や物件評価で変動)といわれています。物件価格の20%以上を自己資金で賄えることが一つの指標とも言えるでしょう。

DSCR(Debt Service Coverage Ratio)

DSCRとは、「返済能力を表す指標」 のことで、物件が生み出す収益で借入金をどれくらい余裕を持って返済できるかを示します。下記の計算式で求められます。

【DSCR=NOI(営業純利益:満室想定賃料−空室損−運営費)÷元利返済額】

例えば年間のNOIが1,200万円、年間の元利返済額が1,000万円の場合、DSCRは1.2となります。この場合「返済額を120%カバーできる」ことを意味します。

一般的に「DSCR 1.2以上」を目安としており、さらに1.5以上が理想とされています。1.0を下回ると返済能力に問題があると判断されやすくなります。

金融機関のローン審査では、これらの指標が融資判断で重要になります。融資を受ける際は、キャッシュフローだけでなく借入金に関する指標も意識しましょう。

空室を減らすには?事前の調査と対策

収益物件投資における大きなリスクの一つが「空室」です。せっかく購入した収益物件も、入居者がいなければ収益がゼロになってしまいます。安定したキャッシュフローを維持するには空室対策が欠かせません。東京・神奈川のように競合物件が多いエリアでは、他の物件に入居者を取られないために工夫が必要です。ここでは代表的な空室対策を紹介します。

入居者のニーズを意識した立地・物件選び

空室対策は物件購入前から始まっています。市場調査を行い、需要が高いエリアを選びましょう。例えば、企業向けならオフィスが立ち並ぶ主要駅の近く、住宅利用なら大学やオフィス街へのアクセスが良い立地は、安定した需要が見込めます。物件の設備や間取りも、収益物件の種類と入居者のニーズに合っているかを考えて選びましょう。物件選びの段階で「将来的に入居者が付きやすいか」を見極めることが重要です。

リフォーム・設備のアップデート

築年数が古くても、室内をリフォームして清潔感を出すことで入居率は改善します。リフォーム時の初期投資は必要ですが、長期的には空室率の低下につながります。また、設備を新たに導入する方法もあります。大規模なリフォームに比べ、費用的に導入しやすい点も魅力です。住宅系であれば、宅配ボックスやモニター付きインターホンなどの設備が人気です。

適正な賃料設定

賃料が周辺相場より高すぎると、他の物件に入居者が流れてしまう恐れがあります。逆に安すぎると収益性が下がるため、周辺の競合物件を調査し、相場感を踏まえた適正価格を設定することが重要です。

管理会社との連携

信頼できる管理会社を選ぶことも大切です。入居者募集・入居後のトラブルの処理など、入居前から入居中までスピード感・安心感のある対応が求められます。管理体制に不信感があると、入居者離れに繋がりかねません。管理費用だけでなく、対応力があり信頼できるかを重視して管理会社を選びましょう。

収益物件の選び方|5つのポイント

ここまでで紹介してきた収益物件の知識を踏まえ、実際に物件を選ぶときのポイントをまとめました。

ポイント1:投資目的を明確にする

まずは、投資の目的を明確にしましょう。「安定収入を得たいのか」「資産を拡大したいのか」で選ぶ物件は変わります。安定的な需要が見込める住宅系はイメージが湧きやすく、初めての収益物件投資にもオススメです。中でも一棟アパートは空室リスクを分散しやすいことから安定収入を狙いやすく、区分マンションは少額からでも始めやすいのが特徴です。

また、収益物件の種類によっても価格は異なるため、自己資金を踏まえて予算を定めるところから、どの種類の物件が購入できそうかを考えることもできます。

ポイント2:物件情報・市場調査を行う

エリアごとの賃貸需要や利回り、物件に関する情報収集を行いましょう。これから収益物件投資を始めたい方は、不動産会社のセミナーや無料相談を活用するのも手です。「どんな需要がどのエリアにあるのか?」「ターゲットが求める物件の間取り・設備は?」「物件の魅力はどこか、修繕の必要があるところはないか?」などを踏まえて調査しましょう。

ポイント3:ニーズにあったエリア・立地を選ぶ

物件があるエリア・立地は、賃貸需要に大きく関わります。需要に合った物件を選ばなければ空室リスクを高めるため、エリア選定はしっかり行いましょう。

人口が多い東京・神奈川は、企業向け・テナント向け・住居向けなど多様な需要があります。企業向けなら、オフィス街が広がる都心部や川崎市・横浜市。住居向けであれば、一人暮らし向けの通勤・通学に便利なエリアや、ファミリーに人気の横浜市や武蔵小杉エリアなど。それぞれのターゲット・需要に合わせたエリア選定が重要です。

ポイント4:キャッシュフローシミュレーションを行う

収益物件の購入価格・利回りだけで物件を判断することは危険です。その収益物件を運用して、実際に利益が見込めそうかをしっかりとシミュレーションしましょう。

「もし空室が出たらどうなるか」「維持管理にどれだけ費用がかかるか」も踏まえて、現実的な数値を考える必要があります。ローン返済・管理費・修繕費を織り込み、より具体的なキャッシュフロー試算を行いましょう。

ポイント5:信頼できる専門家に相談する

豊富な経験のある不動産会社は、賃貸需要やエリアの特性を把握しているでしょう。ローンや資金計画についての相談に乗ってくれる場合もあるので、まずは無料相談などを活用し、信頼できる不動産会社を見つけましょう。

まとめ|自分に合った収益物件を選び、資産形成の第一歩を踏み出そう

収益物件投資は、物件の種類や特徴を正しく理解し、自分の投資目的に合った選択をすることが成功への第一歩です。投資にはメリットもあれば、もちろんリスクもあります。事前にできる対策やポイントを把握しておくことで、不安を解消しリスクを回避しやすくなります。

投資を成功させる鍵は、物件選びの目線と信頼できるパートナー選びにあります。イーカムでは神奈川・東京エリアを中心に、自社一貫体制による高品質な投資物件をご提供するとともに、購入後の管理サポートも充実させています。収益物件投資に興味はあるけれど不安や疑問をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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イーカム分譲住宅編集部

イーカム不動産投資編集部

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