収益物件のサブリースはどんな人に向いている?強みと落とし穴

収益物件の購入を検討している方なら、「サブリース」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?サブリースとは、所有しているマンションやアパートなどの収益物件をサブリース会社に貸し、管理を任せる仕組みです。空室があっても家賃が入るため、安定した収入を得られる制度ですが、仕組みを正しく理解しないまま契約すると、思っていた運用ができない恐れがあります。
関東エリアでも人口が多い神奈川県。特に、横浜や川崎のエリアは、オフィス街や都内へのアクセスの良さから賃貸需要も高く、このエリアで収益物件の購入・運用を考える人もいると思います。その中で、管理方法の選択肢としてサブリースも候補に挙がるでしょう。
この記事では、サブリースの基本から、サブリースのメリット・デメリット、そしてどのような投資目的の人に向いているのかを解説します。
収益物件のサブリースとは?
サブリースとは、不動産オーナーが所有するマンションやアパートを、サブリース会社(管理会社)が一括で借り上げ、転貸する仕組みのことです。オーナーは入居者の有無に関わらず、サブリース会社から毎月一定額の賃料を受け取ります。投資物件の空室管理や入居募集、入居者とのやりとりをサブリース会社に任せることができるため、管理の手間をなくして安定した収入を得ることができます。
サブリースの強み・便利な使いどころ
ここでは、サブリースの代表的なメリットをご紹介します。
1.管理業務の手間が少ない
サブリースでは、入居者募集、契約手続き、クレーム対応、退去時の手続きなどの幅広い管理業務※をサブリース会社に任せることができます。「物件が遠方にあって自分で管理するのが難しい」「本業があるため、管理はまるっとおまかせしたい」という人にとって便利な仕組みです。
※サブリース会社や契約内容によって、対応範囲は異なります。
2.空室リスクを下げ、収支計画を立てやすい
サブリースの大きなメリットは、空室が発生しても一定の家賃収入が見込める点です。物件をオーナーが直接管理する場合は、空室があるとその分の家賃収入は0になります。キャッシュフローに影響が出てしまったり、入居者募集のための対策を立てたりと、金銭も手間もかかります。
その一方で、サブリースでは空室があっても毎月決まった額の収入を得ることができるため、管理の手間をかけずに賃貸収入を得ることが可能です。空室による家賃収入の減少もないため、安定した収支計画を立てやすくなります。
3.相続税の節税対策になる
収益物件を相続する場合には相続税が発生します。サブリース契約を結んだ不動産は、相続税評価において「貸家」として扱われ、マンション・アパートが満室に近いほど相続税の評価額は低くなります。サブリース契約であれば、空室があった場合でも満室であったとして相続税の評価がされるため、結果的に相続税の節税につながる可能性があります。
「収益物件を長期的に保有し、家族に相続したい」と考えている人には、相続税対策の面で、サブリースにメリットがあると言えるでしょう。
サブリースのデメリット・落とし穴
サブリースには、メリットがある一方で、デメリットもあります。きちんとデメリットを理解した上で契約する必要があります。
1.家賃減額リスクがある
多くのサブリース契約には、家賃見直し条項が含まれています。周辺相場の下落や築年数の経過を理由に、保証賃料が引き下げられるケースがあります。ずっと同じ収入を得られるとは限らないため、注意が必要です。
2.実質利回りが低下しやすい
家賃収入のうち、サブリース会社が管理する分が本来の家賃収入から差し引かれるため、オーナーが直接管理を行う場合と比べて、手取り収入は低くなります。購入時に高い利回りを想定していた場合、収益性の面では劣る可能性があります。
3.オーナーが負担する費用や、もらえないお金がある
毎月安定した収入があると言っても、運用中には支出も発生します。
基本的に、物件の修繕費用や原状回復費用はオーナーが負担します。また、礼金や更新料などの家賃以外の収入はサブリース会社に入るため、オーナーはもらうことができません。あくまでも、毎月の固定賃料のみがオーナーの取得分です。
また、免責期間と呼ばれる期間が設けられる場合は、その期間、賃料がオーナーに支払われません。免責期間は、サブリースの契約時や入居者が退去した後など、空室ができた際の入居者募集期間として、オーナーに対して家賃が支払われないという期間です。免責期間が契約内容に含まれている場合、その間は賃料が保証されない=収入が減る、ということです。契約時には、免責期間の有無と、発生時期、期間の長さを確認し、納得した上での合意が重要です。
4.オーナー側から解約しにくい
サブリースは、オーナー側からの解約が難しいと言われています。一般的な賃貸契約でも、借主である入居者が強いのと同様に、サブリース契約ではサブリース会社が借主となるため、オーナー側からの解約の申し出は通りにくい可能性があります。将来的に「自分で管理したい」「サブリース会社を変えたい」と思っても、希望が通らない可能性があります。契約時に、契約期間や解約についての内容をしっかりと確認・合意することが重要です。
5.物件売却時に不利になる可能性
サブリース契約が付いたままの収益物件は、買主が付きにくい傾向があります。キャピタルゲインを狙って収益物件を売却しようとした時も、サブリース契約を解約できなければ、サブリースのまま買主を探すことになります。サブリース契約は便利な一方で制約もあるため、次の買主が自分で物件を管理したい場合や、他のサブリース会社を検討している場合は、物件購入に至らない可能性があります。そのため、サブリース契約をしていない物件と比べると、売却時に不利になるリスクがあるため、注意が必要です。
サブリースに向いている人の特徴
前述の通り、サブリースにはメリットとデメリットが存在します。その良し悪しは、投資家の目的によって異なります。まずは、向いている人はどんな人なのかを紹介します。
1.安定した収入を優先する人
大きな利益よりも、一定の収入を重視する人に向いています。また、家賃の減額があっても耐えられる資金計画を立てられるような、ある程度資金的な余裕がある人には向いています。
2.管理に時間や手間をかけられない人
本業が忙しく管理を任せたい人や、遠方の物件を所有している人にとって、管理を一任できるサブリースは適しています。
3.物件の長期保有を前提としている人
サブリースは、毎月一定額の収入が得られるため、長期的に安定した収入が欲しい人や、将来的に相続を考えている人など、長期的な物件保有を前提としている人に向いています。
サブリースに不向きの投資目的
投資目的が以下の人は、サブリースには向いていないかもしれません。投資計画をしっかりと立てた上で、サブリースが合っているかを確認しましょう。
1.高利回りを狙い、短期間で収益を出したい
「できるだけ高い利回りを確保し、早い段階で収益を積み上げたい」という投資目的を持つ場合、サブリースはあまり向いていません。サブリース契約では、家賃収入からサブリース会社の手数料が差し引かれるため、実質利回りが低下しやすいからです。
管理の手間はかかりますが、「手元に残る収入を最大化したい」「次の投資への資金にしたい」という場合は、自分で管理するか、部分的な管理をしている会社に委託した方が収益が出しやすいかもしれません。
2.自分の好きなタイミングで売却して、キャピタルゲインを得たい
将来的な売却益、いわゆるキャピタルゲインを重視する投資目的の場合も、サブリースは慎重に考える必要があります。サブリースはオーナー側からの解約が難しいため、サブリースのまま次のオーナーへ売却するケースもあります。しかし、サブリース契約がある物件は、家賃設定や管理方法を自由に変更できないため、次の購入者にとって制約の多い物件と見なされやすいです。その結果、売却までに時間がかかったり、希望価格での売却が難しくなったりするケースもあります。キャピタルゲインを狙う投資では、市況や金利動向を見ながら柔軟に売却判断を行うことが重要ですが、サブリースはその自由度が制限される恐れがあります。
資産の拡大を目的とした投資の場合、出口戦略を立てやすいよう、自由度の高い運営方法がおすすめです。サブリースは「保有し続ける前提」の投資とは相性が良い一方、キャピタルゲイン狙いの投資目的とは噛み合いにくい仕組みといえるでしょう。
管理委託とサブリースの違いは?
サブリースとあわせて比較されやすいのが「管理委託」です。混同されることもありますが、それぞれ違いがあります。
管理委託とはどのような仕組みか
管理委託とは、物件の所有者であるオーナーが入居者と直接賃貸借契約を結び、入居者募集や家賃回収、クレーム対応などの管理業務を部分的に管理会社に委託する形態です。管理委託の場合、回収した家賃のうち、管理会社には管理委託料(家賃の3〜10%程度)が支払われます。
【管理委託のメリット】
- 自分で全て管理するよりも、管理業務の手間が減る
- サブリースよりは、管理費用が安く済みやすく、収益性が高い
【管理委託のデメリット】
- 空室が発生すれば、その分の家賃収入が減る
- 契約内容によっては、オーナー自身が管理する部分もあり、手間がかかる
サブリースと管理委託、オーナー管理の違い
サブリースと管理委託の最大の違いは、「誰が入居者と契約しているか」です。
サブリースではサブリース会社が借主となり、管理委託ではオーナー自身が借主と契約します。ここでは、サブリースと管理委託、オーナー管理の一般的な違いをまとめました。
|
項目 |
サブリース |
管理委託 |
オーナー管理 |
|
入居者との契約主体 |
サブリース会社 |
オーナー |
オーナー |
|
オーナーへの家賃支払元 |
サブリース会社 |
入居者 |
入居者 |
|
管理の範囲 |
広い |
部分的 |
すべて自己管理 |
|
手数料 |
賃料の10~20% |
賃料の3~10% |
なし |
|
空室時の家賃収入 |
あり |
なし |
なし |
|
家賃の変更 |
見直し条項により発生 |
相場変動に応じて調整 |
相場変動に応じて調整 |
|
実質利回り |
低くなりやすい |
比較的高い |
比較的高い |
どれを選ぶべきかは、「長期的な安心感」「自分の管理範囲」「運営の自由度」のどこを重要視するのかによって判断が分かれます。
まとめ|メリット・リスクを理解して収益物件の管理方法を選びましょう
ここまで、収益物件のサブリースについて解説してきました。サブリースは、不動産投資において「管理の手間を減らし、安定した収入を得られる仕組み」である一方、収益性や運営の自由度が下がるリスクがあります。サブリースのメリット・デメリットを正しく理解し、自身の投資目的と照らし合わせて判断することが重要です。
自分で管理しない場合は、サブリースの他に「管理委託」という方法を取ることも可能です。どちらもオーナー自身で管理する手間を減らすことができ、本業があったり、複数の物件を所有していたりと、管理が難しい人に便利な仕組みです。その一方で、「信頼できる管理会社か」「自分の投資目的に合った契約内容か」をしっかりと確認したうえで、契約することが大切です。
他にも、不動産投資の基本について記事にまとめています。こちらもぜひご覧ください。
▶収益物件とは?種類と特徴、資金計画に関わる基礎知識から、物件選びのポイントを解説
▶マンション不動産投資の基本|仕組み・利回り・メリット・リスクをわかりやすく解説
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