不動産投資コラム

マンション不動産投資の基本|仕組み・利回り・メリット・リスクをわかりやすく解説

マンション投資
2025.06.20

都市部を中心に人気のマンション不動産投資。この記事では、マンション投資の仕組み、メリット・リスク、利回りや収支計算、税務・法務の基礎まで、これから始める方に必要な知識をわかりやすく解説します。

マンション投資とは?基本の仕組み

マンション投資とは、収益を目的として区分所有のマンションを購入し、賃貸することで安定的な収入を得る投資方法です。都市部を中心に高い需要があり、特に単身者やファミリー世帯向けの物件は人気が高まっています。

収益の仕組み

そもそも、不動産投資はどのように収益を出しているのでしょうか?

収益の仕組みは主に2つあります。1つ目は「賃貸収入(インカムゲイン)」で、毎月の家賃収入が投資家の収益となります。2つ目は「値上がり益(キャピタルゲイン)」で、将来的に物件の市場価値が上昇することによる利益です。立地や築年数、周辺環境の変化などが、この値上がり益に大きく影響します。

アパート経営とマンション経営の違い

不動産投資を考える際に比較されるのが、「アパート」か、「マンション」か。そもそも、この2つの不動産経営では、それぞれの不動産の構造や階数を元に、初期投資の額も異なります。

項目

アパート

マンション

構造

木造・軽量鉄骨造

RC造・SRC造

階数

2〜3階建て

3階以上の中高層

初期投資

比較的少額

高額になりやすい

また、マンション経営には「区分所有」と「一棟所有」の2つの形態があります。アパート経営が基本的に一棟全体を所有・運営するのに対し、マンションは個々の部屋(区分)を所有することができます。

区分マンションは、比較的少ない資金で始められ、管理組合のサポートもあるため、個人投資家でも取り組みやすい特徴があります一方、一棟マンションは、アパート経営に近い形で、より高い収益を目指せる投資方法と言えるでしょう。

アパート経営については、「アパート経営の基本|メリット・リスク・初期費用・利回りをわかりやすく解説」の記事もご覧ください。

マンション投資で得られる4つのメリット

マンション投資には、収益を生み出す以上の価値があります。安定した収入、税制メリット、リスク対策、資産形成など、4つの観点からその魅力を解説します。

【メリット①】安定した長期収入が期待できる

マンションは、単身者やファミリー世帯の住宅需要が高く、安定的な賃貸収入が見込めます。特に、交通利便性や生活環境の良いエリアでは、入居者を見つけやすく、空室リスクを最小限に抑えられます。築年数や立地条件を慎重に選べば、長期にわたって毎月の家賃収入を期待できる投資方法と言えるでしょう。

【メリット②】節税効果

マンション投資は、不動産取得に伴う税控除や減価償却などの節税メリットがあります。建物の減価償却費は、収入から差し引くことができるため、実質的な税負担を軽減できます。また、ローン返済に伴う支払い利息も、一定の条件下で所得税の控除対象となり、税務面でも有利な投資方法となります。

【メリット③】団体信用生命保険で家族の安心を確保

多くの金融機関では、マンション投資のローンに団体信用生命保険を付帯できます。これにより、万が一の死亡や高度障害となった場合、残りのローン債務が免除されます。家族の将来への経済的な不安を軽減し、リスクヘッジできる点で、大きなメリットと言えるでしょう。

【メリット④】定年後の生活資金を支える資産形成

マンション投資は、長期的な資産形成に適しています。毎月の賃貸収入に加え、不動産価値の上昇によるキャピタルゲインも期待できます。特に、相続や資産承継の観点からも、安定した資産として評価されており、定年後の生活資金として機能する可能性が高い投資方法です。

マンション投資の4つのリスクと注意点

安心のマンション投資のために、事前に知っておくべきリスクと対策があります。空室、賃料滞納、金利変動、管理組合の運営など、想定外の事態を未然に防ぎ、収益性を守る4つのポイントを解説します。

【リスク①】空室リスクとその対策

長期間の空室は、月々の収入途絶によりローン返済に支障をきたす可能性があります。

対策

  • 交通利便性の高い立地選び
  • 入居者ニーズに合った設備・内装のグレードアップ
  • 適切な家賃設定
  • 効果的な広告戦略

【リスク②】賃料滞納リスクとその対応

賃料の未払いや遅延は、深刻な経済的打撃となります。

対策

  • 入居者の慎重な審査(安定した収入・勤務先の信頼性)
  • 保証会社の活用
  • 家賃保証制度への加入

【リスク③】金利変動リスクへの備え

特に変動金利型ローンは、金利上昇で返済額が増加するリスクがあります。

対策

  • 固定金利への切り替え
  • 金利上昇を想定した余裕資金の確保
  • 複数の金融機関の金利比較

【リスク④】管理組合に関するリスク

管理組合の運営状況や建物の老朽化は、投資の収益性に大きく影響します。

対策

  • 購入前の管理組合議事録と修繕計画の確認
  • 建物の状態と将来の修繕費用の事前把握
  • 耐震性能と設備の陳腐化への注意

マンション投資の実践的なコツ

マンション投資の収益性を決める鍵は、入念な準備にあります。物件選び、立地、築年数、管理組合との関係など、収益性を高め、安定した投資を実現するための実践的なノウハウをお伝えします。

物件選びのポイント

マンション投資の第一歩は、適切な物件選びから始まります。収益性を左右する最大の要因は、入居者のニーズに合った物件であることです。単身者向けか、ファミリー向けかによって、求められる設備や間取りが大きく異なります。専有面積や収納スペースキッチンの使いやすさバストイレの設備など、細部にまでこだわることが重要です。また、建物の外観や共用部分の質も、入居者の印象を左右する重要な要素となります。

立地選定の重要性

立地は投資成功の最大の鍵と言っても過言ではありません。駅からの距離、通勤・通学のしやすさ、周辺の商業施設、医療機関、教育施設などの利便性を総合的に評価します。特に、将来的な街の発展性を見据えることが大切です。新たな駅の開通、再開発計画、企業誘致など、エリアの将来性を事前にリサーチすることで、資産価値の向上が期待できます。

築年数を考慮した投資

マンションの築年数は収益性と資産価値に大きく影響します。新築物件は設備が最新で魅力的ですが、初期投資額が高くなります。一方、築10〜20年程度の中古物件は、適切なリノベーションにより高い投資対効果が期待できます。ただし、大規模修繕の予定や建物の劣化状況を慎重に確認する必要があります。築年数だけでなく、建物の維持管理状況も重要な選択基準となります。

管理組合との付き合い方

マンション投資において、管理組合と良好な関係を構築できるかは重要な要素です。管理組合の運営状況、財務状況、修繕計画などを理解し、積極的にコミュニケーションを取ることが大切です。理事会への参加や、総会での意見交換を通じて、建物の維持管理や資産価値向上に貢献できます。また、他の区分所有者との良好な関係は、将来的な物件売却時にも有利に働く可能性があります。

収支計算と利回りの基本

マンション投資の収益性を正確に見極めるには、利回りの正しい理解が欠かせません。表面的な数字に惑わされず、実質的な収益を見抜く計算方法と、築年数による変化を詳しく解説します。

利回りの計算方法

マンション投資の利回りは、以下の式で計算します:

表面利回り(%) = 年間家賃収入総額 ÷ 物件取得価格 × 100

実質利回り(%) = (年間家賃収入 – 年間諸経費) ÷ 物件取得価格 × 100

表面利回りと実質利回り

表面利回りは簡易的な収益指標で、経費や空室を考慮していないため実態とは異なります。一方、実質利回りは経費を差し引いた実際の収益性を表す、より現実的な指標となります。

築年数による利回りの変化

マンションの利回りは、築年数とともに変化します。新築時は設備が最新で魅力的ですが、初期投資額が高くなります。築10〜15年程度の物件は、リノベーションにより、高い投資対効果が期待できます。一方で、築30年以上経過すると、大規模修繕の可能性が高まり、利回りが低下するリスクがあります。

収支計画の立て方

マンション投資の利回りは、一般的には投資の種類・築年数によって相場があります。

マンションの種類

築年数

利回り

区分マンション 新築

3〜4%

築20年超え

7~8%

マンション 新築

6%

中古

7〜8%

しかし、これらの利回りは、立地条件や投資額によって大きく変動します。都市部では利回りは低めでも空室リスクが低く、資産価値が安定する傾向があります。

高すぎる利回りにはリスク要因が潜んでいる可能性があるため注意が必要です。投資判断は表面的な数字だけでなく、実質的な収益性と長期的な安定性を重視することが大切です。

知っておきたい税務・法務の基礎

マンション投資の収益を守り、リスクを最小限に抑えるためには、税務・法務の正確な知識が不可欠です。知っておくべき基本を分かりやすく説明します。

不動産投資に関する税制

マンション投資には、所得税不動産取得税固定資産税など、複数の税金が関わります。賃貸収入は事業所得または不動産所得として課税対象となり、確定申告が必要です。また、不動産投資で生じた減価償却費は所得から控除できるため、税負担を軽減できる可能性があります。

区分所有特有の税務・法務のポイント

マンション投資では、区分所有法に基づく独自の税務・法務上の注意点があります。管理組合費や修繕積立金の取り扱い、共用部分の維持管理費用の経費計上方法は、個人の投資形態によって異なります。一棟マンションは事業的規模と判断されやすく、青色申告の特別控除を受けやすい傾向があります。

主な税金の種類

投資物件にかかる主な税金と、発生するタイミングは下記のとおりです。

  • 不動産取得時:不動産取得税、登録免許税、印紙税、消費税
  • 保有時:固定資産税、都市計画税、所得税
  • 売却時:所得税(譲渡所得)、印紙税

節税対策と注意点

効果的な節税には、青色申告の活用が有効です。青色申告をすることで、各種控除や特別控除を受けられます。また、建物の減価償却を正確に計算し、適切に経費計上することで税負担を抑えられます。相続税対策も重要で、マンションは土地の持分も含むため、より慎重な計画が求められます。

区分所有に関する法律

マンション投資において、区分所有法は重要な法的根拠となります。区分所有者は、専有部分の所有権と、共用部分の共有持分権を持ちます。管理組合の運営や、大規模修繕、建替えなどの重要な決定は、区分所有者の集会(総会)での合意が必要となります。

よくある質問!マンション投資のQ&A

マンション投資に踏み出す前に知っておきたい、よくある質問にお答えします。

Q1. 区分マンション投資と一棟マンション投資、どちらがおすすめ?

区分マンション投資は、数百万円〜1,000万円程度の少額から始められるのが最大の特徴です。管理も一部屋単位で済むため、初心者にも取り組みやすい投資方法です。一方、一棟マンション投資は、まとめて購入することで空室リスクに強く、経営の自由度も高くなります。

投資家の資金力と経験によって選択は異なりますが、初心者は区分マンションから始め、経験を積んでから一棟マンションへステップアップするのが賢明です。区分マンションは売却も比較的容易で、流動性が高い点もメリットと言えるでしょう。

Q2. 初期投資はいくら必要?

マンション投資の初期投資は、物件の価格帯によって大きく変動します。一般的な内訳は、物件購入費、諸経費(仲介手数料、登記費用、不動産取得税など)、初期修繕費、空室対策費などです。

初期投資の特徴

◯区分マンション
 ・自己資金の目安は、物件価格の15〜30%
 ・2,000万円の物件の場合、300万円〜600万円の自己資金が必要

◯一棟マンション
 ・自己資金の目安は、物件価格の10〜20%程度
 ・1億円規模の物件であれば1,000万円〜2,000万円の自己資金が必要

マンション投資では、金融機関からのローンが資金調達の大きな選択肢となります。ただし、借入れには安定した収入と信用が欠かせません。投資規模が大きくなるほど、より専門的な知識が必要で、収益を見据えた計画づくりが大切になってきます。

初期投資額は物件の規模や立地によって大きく異なります。慎重な計画と、専門家への相談が成功への近道となります。初期投資の計画を立てる際は、専門家に相談することをおすすめします。

Q3. 中古と新築、どちらを選ぶべき?

中古マンションのメリットは、購入価格が低く、初期投資を抑えられることです。デメリットは設備の老朽化や大規模修繕の可能性があります。新築マンションは初期投資が高くなりますが、最新の設備や耐震性能、メンテナンスコストの低さが魅力です。選択のポイントは、立地の将来性築年数購入価格想定賃料を総合的に判断することです。

Q4. 単身向けとファミリー向け、どう違う?

単身向けマンションの特徴は、都市部の駅近で交通利便性が高く、1K〜1LDKタイプが中心。賃貸需要が安定しており、初期投資も比較的低めです。ファミリー向けマンションは、2LDK〜3LDKで、駅からやや離れていても良好な住環境や学校が近いエリアが人気。賃料は高めですが、長期安定的な入居が期待できます。投資目的や地域の特性を見極めて選択することが重要です。

まとめ

マンション投資は、安定した収益と長期的な資産形成を実現できる魅力的な投資方法です。立地選びや築年数、利回り、税務・法務の知識を押さえることで、リスクを最小限に抑えながら成功の可能性を高めることができます。

物件情報の詳細や具体的な相談など、まずはお気軽にイーカムにお問い合わせください。経験豊富な専門スタッフが、あなたの不動産投資をサポートいたします。

お問い合わせはこちら

投資用マンション一覧はこちら

イーカム分譲住宅編集部

イーカム不動産投資編集部

「フルセイル」シリーズを手がける当社の専門スタッフが、不動産投資をこれから始めたい方にも、すでに経験を積んだ方にも役立つ知識や最新情報を、やさしく分かりやすくお届けします。

「フルセイル」シリーズを手がける当社の専門スタッフが、不動産投資をこれから始めたい方にも、すでに経験を積んだ方にも役立つ知識や最新情報を、やさしく分かりやすくお届けします。